Perpetual

珍しく、コントラバス屋さんらしい話題。  Pirastro社の新しい弦、『Perpetual(パーペチュアル)』というものを試してみました。      先週末の弦楽器フェアにて、オリエンテが出展していた楽器の一つに、この弦が張られていました。  この弦の感触と音色が面白かったので、二代目に訊いて(きいて)みると、Pirastro社の新しい弦『Perpetual(パーペチュアル)』と言うのです。     “うちの楽器(=あのグリガ)に新しい弦を張りたいところだったし、丁度良い。” と、試しに仕入れてみました。        この弦の特徴は、スチール弦にしては柔らかい。  二代目に “この弦の構造は?” と確認した時には “(芯は)ロープコア、クロムスチール巻。” と答えが返ってきました。     Pirastro社のHPでは、他の『Original Flat-Chrome』などの一般的な弦なども『rope core steel strings』と表記されていますが、『Perpetual(パーペチュアル)』では『extremely flexible rope core steel strings』と表記もありますし、写真(写真3枚目)でもご覧の通り、どうも芯線の巻き方が緩い(ゆるい)ことで、触れた感じに柔らかさを感じるようです。  

     はてさて、そんな難しい構造の話は置いておいて、肝心な音色の話。  まだ朝に張り替えたばかりなので、なんとも言い切れない部分はありますが・・・。      総じて、なかなか面白い弦です。    というのも、私のPirastro社の弦のイメージは、わりと良い意味で〈湿度〉を感じるような、それこそヨーロッパ系のオーディオの音色そのままの印象があるのですが、この弦は逆に、非常に〈乾燥した音色〉を演出します。    オリエンテの二代目は “D’Addario(ダダリオ)のHelicore(ヘリコア)っぽい。” と話していた意味も理解できますし、おそらく設計段階の、この弦の音色の核となる部分が、Helicore(ヘリコア)っぽいのかな、と思います。    ただ、弦を張った直後の、特に一番太い4弦の音のギラツキは、Thomastik(トーマスティック の Spirocore(スピロコア)を彷彿(ほうふつ)とさせる派手さを感じます。        全体的には、これまでの一般的な Pirastro の音色のキャラよりも、Helicore や Spirocore のような、『あまり重低音は得意ではないが、華やかな音色なら得意です。』というキャラクターの弦のような印象です。    実際に、Pirastro としては、この弦は弓で使用するよりも、指で弾くジャズなどを想定して設計したと公式HPでは説明しています。  そういう意味では、弦の設計で重低音を追い求めるよりは、音色の明瞭さに軸を置いたのも納得です。      この弦は弓で弾いてみても非常に音抜けの良い明瞭な音色が出るので、扱いやすいとは思います。    ただ、オーケストラや、近年の吹奏楽の傾向を考えると、それらの現場で使用すると『ちょっと低音の腰が浮いてしまう。』と感じるかもしれません。    近年、わりと人気のある Pirastro社の『Flexocor Deluxe』と比較をすると、『Perpetual』の低音は、かなり腰が高い印象があります。        私の印象として、総評としては、あまり何か既存の弦と比較してしまうよりは、『Perpetual という、新しいジャンルの弦』と考えてしまう方が良いのかな、と思いました。      しばらく店の楽器に張っておくので、遊んでみてやってください。