振動の方向性と、Wilsonピックアップ。

 Wilsonピックアップには、振動を集音する指向性というものがあります。

 簡単にいうと、一定方向に効率よく集音する向きがある。


 だから、ピックアップの集音の方向を見極めないと、Wilsonピックアップの能力は発揮されません。



 今回の実験は『Wilson K1』です。

 Wilsonのフラッグシップモデルの〈K4〉とは少し違います。

 〈K4〉についての解説は、また後日にでも。



 当店では〈K1〉を取り付けるときには、駒の振動の方向(写真・駒に書かれた矢印)に対して垂直に取り付けています。




 しかし、実はWilsonピックアップの最高出力を得るには、駒の振動の方向性に沿って配置した方が良い。




 そしてWilsonピックアップの最大の特徴は、ピックアップの向きを変えることで、音色を変化させることです。

 写真3枚目のように、ピックアップを駒の振動の方向に対して斜めに設置をすると、集音の際に、高音域を減衰させることができます。





 周波数特性のグラフでも、確認できます。

 これは、1弦の解放音『G3=195.998Hz』です。


 グラフ1枚目が、垂直に取り付けた時の音です。



 『G3=195.998Hz』と、オクターブ下の『G2=97.999Hz』が鮮明に聴こえることがわかります。


 グラフ2枚目が、駒の振動の方向に沿って設置した場合です。



 グラフ1枚目に比べて、様々な周波数帯の音を集音しています。

 そのため、結果的に音の出力が上がっていることが確認できます。


 グラフ3枚目は、ピックアップを駒の振動の方向に対して斜めに設置をすると、高音域の2kHzあたりから上が削り取られていることが確認できます。

 すなわち、高音域が減衰していることが確認できます。






 実際のところ『振動の方向に対して垂直に設置する』と『振動の方向に沿って設置する』ということの優劣は決めにくいです。


 サウンドのイメージとしては、これを例えばプリアンプのような考え方で説明すると……。


垂直に設置する=GAIN(ゲイン)を下げて、VOLUME(ボリューム)を上げた設定したようなサウンド。


振動の方向に沿って設置する=GAIN(ゲイン)を上げて、VOLUME(ボリューム)を下げた設定したようなサウンド。



 …これで、雰囲気は感じられますか?

 振動の方向に沿って設置するの方は、音量感はありますが、全体的にサウンドが暴れている印象があります。



 特に〈K1〉に関しては、〈K4〉以上に多くの倍音(音の響き)を集音しているので、少し抑えめに集音した方が、扱いやすいサウンドになるように感じます。