YAMAHAのSLB200(サイレントベース)の調整依頼。
なるほど、音色の個体差の少ないYAMAHAのサイレントベースであれば、ドライブスルー並みのテンポ感で預かって、納品も可能か・・・。
新型コロナの騒ぎが起きる前には、1ヶ月に4〜5本の調整依頼が入っていましたし、多い時には1週間で4本の調整依頼ということもありました。
意外と依頼の多かった、サイレントベースの調整依頼。
この楽器、“どうも音色の、エレキベースっぽさが気に入らない。” と評価を受けることも少なくないようですが、駒さえキッチリと調整すれば、コントラバスにピックアップを取り付けた時の音色と遜色ない音が得られます。
当店では、SLB200のプリアンプの改良も行いますが、これまでの経験では、基本的には駒の調整だけで充分かなと思います。
そこから、さらに低音域から高音域への音抜けを求めるのであれば、電気系統に手を入れることにしています。
SLB200の駒の振動経路は一般的なコントラバスとは違います。
1・2弦は4弦側の足の方へ、3・4弦は1弦側の足へ、多くの振動が流れます。
YAMAHAのサイレントベースは、音色に個体差の少ない楽器ですので、基本的には適切に駒を削れば、それだけで安定した音色が得られます。
しかし、稀(まれ)に個性の強い個体も存在するので、そのような時には、この駒の振動経路を読みながら調整をしていきます。
この独特な振動経路を理解できていないと、コントラバスと同じように調整をしようとしても、思うように音色をコントールできません。
それと、ある程度の大きさのベースアンプを用意して、試奏しながら調整をしないと、適切な調整は不可能です。
最低でも、当店の『Roland DB-500改』ぐらいの大きさのベースアンプを用意しておくと良いと思います。
そういえば、先日、SLB200のピックアップの交換修理の依頼も受けたなぁ・・・。