ここしばらく、店にはBeymaやPJB audioなどのスピーカーシステムが置いてあったので、 “やはり、正統派のオーディオシステムは常備させておきたい。” と考えるようになりました。
店の天井に吊ってあるTANNOYは、一般家庭で使用するには大きすぎる。 店の壁に設置してあるPark Audioは、作業中のBGMとして心地よいサウンドに特化した設計になっている。
やはり常識の範囲内の大きさのスピーカーシステムが欲しい。
そこで、新しくシステムを作り上げる間の期間の使用として、店の奥から『SCANDYNA A-30』を引っ張り出してきました。
使用するパワーアンプは自作のPhillips TDA1552Qです。
SCANDYNAはデンマークのオーディオメーカーで、このA-30は1960年代後半から1970年代初頭に作られたものだと思われます。
ダンプドバスレフという独特なエンクロージャーの構造をしています。
ダンプドバスレフは、写真で確認できるように、バスレフの穴を塞ぐように吸音材(グラスウール)が配置されています。
これにより、バスレフ方式と密閉方式の中間のようなサウンドを作り上げています。
全体的に往年のヨーロッパ系のサウンドですが、ダンプドバスレフという構造もあってか、イギリスのRogersのような王道的なヨーロッパサウンドではありません。
さらに、実はこのA-30のツイーター(高音域用ユニット)は、SCANDYNAからBOSE社(USA)のものに交換されています。
一般的には、ヨーロッパ系のユニットとアメリカ系のユニットを組み合わせることは無いようですが、サウンドのバランスは悪くないので、これで良いと思います。
ダンプドバスレフの構造については、ベースアンプでも使えないかと考えてみましたが、実用的には、まだまだ研究が必要です。 ただ、本来密閉型であるGALLIEN-KRUEGER 200MBなどは、ダンプドバスレフ構造に変更するのは面白いかもしれません。