駒の重さ

駒の面取りの話。

 『面取り』とは、角(かど)を削り落とすこと。




 当店の面取りの削り方には特徴があると言われることが多いですが、これは別に自己主張をしているわけではなく、音響特性のためです。



 嘘っぽいけど、本当の話。




 というのも、そもそも、この面取り作業で楽器の音色の変化に気がついたのは、当店の常連さんです。




 もう4年か、もしかしたら5年ほど前のことですが、その当時は、当店としてはそこまで『駒で音色を微調整する』といった技術はありませんでしたし、実は、あまり気にしていなかったように思います。



 ある日、(今では)常連さんの楽器の駒を交換した時でしょうか?

 ある程度、調整も終えて、最後に “軽く面取りをしておきますね。” と駒の面取りをして、また楽器に戻して弾いて見たら “あれ?音の響きが良くなっている。” と常連さんが気がつきました。


 そこで、“駒の強度限界を見ながら、ちょっと派手に削り落としてみましょうか?” と常連さんと実験をしてみたら、ドンと音の響きが増しました。



 それから、当店では駒の面取り作業が基本となりました。





 そうやって研究と実験を繰り返していくうちに、『駒は薄いよりも、少し厚めの方が、音に芯と響きを両立できる。』ということを見つけ、厚めの駒の重量を軽くするためにも、面取り作業が重要になってきました。


 だから『厚めの駒の重量を軽くするために、面取り作業が必要』というのは、後からついてきた理由でもあります。





 そこで今回、実際に、どれぐらいの重さが面取り作業で軽くなるのか、ということを実験してみました。



 写真2枚目、すでに厚みを整え、弦高も決めてあります。

 これで、97.3gです。



 写真3枚目、面取り完了。

 こちらは、93.6gになりました。




 結果的に3.7gの軽量化。

 さて、これは凄いのか、凄くないのか?





 これだけの軽量化で実際に響きが変化するのは、事実は事実なのですが、ほんの4g程度で音色が変化するのですから、やはりコントラバスという楽器は面白いですね。