以前、紹介させていただいて、現在は当店のHPの方でも紹介させていただいている、POLYTONE のコントラバス用ピックアップ・マイク。
その記事にも書きましたが、このピックアップ特有の盛大なノイズを軽減する・・・というのが、今回の、お話。
今回のネタは、POLYTONE だけではなく、FISHMAN BP-100 や Underwood にも応用できます。
アンプやピックアップから出てくるノイズには幾つか種類があって、一つは部品が本来持っているノイズ(ホワイト・ノイズ)や、コンデンサーやトランジスタが劣化して発生するノイズ(=故障)などがあり、その中でもピックアップで最も一般的なものが、不要な電気が放出されないで起こるノイズです。
『ブ〜ン』と鳴って、どこか手で触れるとノイズが減少するという、あれ。
それは『アース不良』という状態で、アースを作って上手く余分な電気を放電してやれば、ノイズは小さくなります。
今回、『導電塗料』を使用してみました。
通常はエレキベースなどで使用されるのですが、それをコントラバスのテールピースの背面に塗り、アースを弦に落とし込みます。
ピックアップのジャックの方には、(不要な電気を)アースに落とすケーブルを作り、テールピースに取り付けたネジなどの金属にケーブルを固定して、アースに落とし込みます。
これで、ノイズは半分以下に落ちました。
POLYTONE は元々、設計が古いこともあり盛大にノイズを発生させてしまうので、ノイズの完全除去は無理でしたが、その他の現代的なピックアップであれば、かなりノイズを抑えることが可能かと思います。
もう、POLYTONE などは “小さくチリチリ鳴っているノイズ、それも味わい!” と割り切って使うもの・・・ということに、しておいたほうが良さそうです。
とりあえず “それも味わい。” と言えるぐらいの大きさのノイズになっています。
今回のポイントは、これまで『弦アース』という考え方は確かに一般的ではありましたが、アースの取り付け方法が、弦に直接、アースのケーブルを取り付けることで、演奏していると電気的なノイズ以外に、『上手く取り付けられずにノイズ(共振)が発生する。』というトラブルが多発していました。
それを『アース専用の台座』を取り付けることで、余計な共振を出さずに、適切にアースを作ることが可能になった、ということです。
もっとも、ちょっと考えてみれば思いつく発想でもあるので、自画自賛するほどの凄い発明(?)でも無いですが。
さて、今回の導電塗料を使用してのアース実験は、かなりの効果が得られましたが、作業手順としては、弦を全て取り払って、駒も外して、テールピース裏に導電塗料を塗って、アース用の金属を取り付けて、ピックアップ側にもアース用のケーブルを取り付ける・・・と、なかなか作業量も多いので、できるだけDIYで挑戦するのではなく、お近くのコントラバス専門店などに相談された方が、よろしいかと思います。
少々、手間はかかりますが、その(ノイズ対策の)効果は絶大です。