アジャスター型のピックアップシステム、YAMAHIKO(山彦)を取り付る練習。
このピックアップに関しては、日頃から、よく取り付けていますが、さらに高い精度で取り付けるために練習をします。
身体に技術を記憶させる作業。
何度も何度も繰り返し、穴を開けて、ねじ山を切る。
力のかけ方や、身体の位置など、微妙に変化をさせながら、繰り返す。
こうやって何度も繰り返すうちに、精度の高いネジ穴が開けられるようになります。
私のような古い時代の職人が技術を習得する場合。
例えば…その答えが〈5〉だとして。
まず〈1〉という方法でやってみる。
次に、〈1〉とは正反対の〈10〉という方法で、やってみる。
そこから〈2〉・〈8〉・〈3〉・〈7〉・〈4〉・〈6〉と繰り返して、最終的に〈5〉に至るイメージ。
例えば、現代の学校であったり、おそらく弦楽器の専門学校なども、“答えは〈5〉です。” という回答を教えられて、その〈5〉に向かって技術を習得していく、という方法だと思います。
初めに答えがあって、それに向かって技術を習得することは、確かに効率の良いことです。
しかし、それは得てして、身体に技術を教え込むのではなく、単純に頭の中の記憶、〈情報〉として認識するだけになってしまいます。
『修練を積み上げる』という言葉がありますが、文字通り〈積み上げる〉ことがなければ、高い技術は身につきません。
そこには、日々の努力…自分自身を戒め、継続できなければ、到達できない世界です。
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