転売目的で…

“最近、中古市場に手頃な価格で質の良いコントラバスが少なくなった。”  先日、そんな話題を職人仲間から聞きました。    結論から言うと、業者に買い取らせる(または下取らせる)よりも、インターネット上で個人売買が増えているようです。      確かに当店においても、インターネットオークションで購入された楽器や、個人売買で購入された楽器の修理や調整の依頼が増えています。      それに伴い、少し悩ましいことも幾つか起きています。      インターネットオークションに出品されている楽器の詳細を、当店に問い合わせをされることがあります。  ちなみに、当店が出品者ではありません。    インターネットで他店が中古販売されている楽器の詳細の問い合わせを、当店にされることがあります。    インターネットオークションなどで『絃バス屋で調整をした』や『絃バス屋で修理した』と解説文に掲載される事もあるようで、その件に関して問い合わせを受けることもあります。      特に三つ目の案件に関しては、悩ましいところです。

 数年前に『絃バス屋で駒を交換して調整をした』と言われても、 “いや、それは…もう当店で調整した時のサウンドは維持できていないだろう…。”  と私としては思うわけで、要するに、『絃バス屋の調整技術』は担保できない。    でも、あまりコントラバスの知識のない人が購入してしまったら、そのアンバランスなサウンドの状態の楽器を“これが絃バス屋の調整技術か。”と認識してしまうかもしれない。      先日も、インターネットオークションで、当店からは非常に遠方の方が『絃バス屋で修理をした』ということで信用して購入したが、あまりに雑な状態なので、当店に問い合わせが来た事案があります。  結論を言うと、当店が手を入れていない部分の修理(他店の仕事)の痕跡について確認だったわけですが、これも一つ間違えれば“絃バス屋は、こんな手抜き修理をするのか。”という評価になってしまう。      実際のところ、当店の名前を出せば、多少なりとも価格は釣り上がるようで、おそらく、それを認識しての行為のような気がします。        絃バス屋として手の届かない領域…責任の負えない事案が少しずつ増えている。  やはり、これは恐怖です。      私が責任を持って修理や調整を行なって、オーナーとの共通認識のもとにインターネットで販売されるなら、理解できます。      確かに法律に反しているわけではないので、『問題ない』と言われると否定できません。  ただ…一つ間違えれば、当店の信用を一気に失ってしまう危険も含まれています。  それは非常に無責任な行為だと思います。      前述の先日の購入後の問い合わせに関しても、当店を信頼してくださったからこそ問い合わせをしてくださったわけで、 “なんだ。絃バス屋はFacebookでは偉そうなことを言っているが、実際は、この程度か。”  と周囲に言いふらされてしまったら、もはや私には言い訳をする機会もありませんでした。        このような事態は、これまで全く考えていなかったので、実際のところ対応に苦慮しているところです。  おそらく、対応のしようもありませんが…。        もしこれが、Facebookなどでの技術的な記事が多いことが原因としてあるのであれば、投稿の内容も変えていく必要があるのかな…と考えたりもしています。      なかなか悩ましいですね。