続・2020年12月29日に書いた記事

 今朝の投稿した記事の、続編のようなもの。    この1年間で、色々と思いを巡らしたこと。  

“演奏者の演奏技術の進化に対して、コントラバス職人の技術は対応できているのか?”    コントラバスを演奏している演奏者の演奏技術は、近年、明らかに進化しています。  それこそ、来年の春には中学生と高校生を対象にしたソロ演奏のコンテストが企画されていますが、20年以上前には、そんなことは発想さえなかった実現不可能なことです。    子供たちの演奏技術が向上していることは、私が仕事をしていても気がつきます。  学校の吹奏楽で使用されている楽器の傷が、昔よりも少ないように感じます。    昔は、1弦側(G線)の表板に、弓で突いてしまった傷跡が無数にある楽器を、よく見かけました。  でも、現代、弓で突いてしまった傷跡が無数にある楽器は、ほとんど見かけなくなりました。(古い楽器は除く)    それは、学校教育の現場に外部講師としてコントラバス奏者が指導に行き、適切な演奏技法を子供たちに指導しているからだと思われます。  私も外部指導員として、10年ほど前には、中学校の吹奏楽部に指導に行っていた時期もありますが、そのような吹奏楽の世界で、外部指導員を積極的に受け入れる傾向は、もう20年ぐらい前からの流れになるかと思います。      そして近年、プロアマ問わず、コントラバスのソロ演奏が盛んになってきたようにも感じます。    ジャズやポップスの世界においても、様々な新しい機材が登場して、その演奏スタイルも変化し続けいています。    そして、インターネットの発達によって、それらの新しい世界を手軽に体感できるようになりました。        それでは、そうのような時代の変化において、コントラバスに関わる職人に立ちは、時代の変化に追従できていたのでしょうか?     “ウルフトーンが出たら、それは調整技術では消せません。” “ピックアップが壊れたら、買い替えましょう。” “音に芯も輪郭もない音。すなわち、それは〈深くて柔らかい低音〉です。”  “(自分の調整技術とは無関係に)この部品を変えたら、音が劇的に改善します!”    私たちコントラバス職人の、楽器との関わり方は30年以上変化してこなかったように思います。        演奏者は進化し続けているという事実。  コントラバス職人は、本当に、演奏者の進化に追従していると感じられますか?        私は、自分自身でさえ、不安になり、自信をなくすことがあります。    演奏者の求めるものを、職人側で具現化できているのか?  そして、演奏者の一歩先の先進的な提案を、職人側は用意できているのか?    自分自身の職人の〈在り方〉として、常に課題として意識するように心がけています。        今年の新型コロナウイルス(COVID-19)の影響は、コントラバスの世界でも大きな変化をもたらしました。  インターネット上での演奏。  オンラインのライヴ。    そのような新たな環境の中で、演奏者は、更なる進化の道を突き進み始めました。      さて、私たち職人は、その進化に追従できるのでしょうか?    そんなことも考えた、この一年です。