楽器の調整は大切なこと
おかげさまで、ご来店されたオーナーだけではなく、電話やFacebookのメッセージからご相談を受けることも増えまして。 相談内容は色々で、それでもやはり多いのは、ピックアップ マイクを含めた電気系機材を使用した際の音の作り方、という相談でしょうか。 ということを書くと、クラシック系の音楽を演奏する方からは “また電気系の話?” などと言われそうですが、もし『レコーディングをする(録音をする)』となると必然的に音響機器(録音機器)に依存することになるのですから、あながち無関係とは言い切れません。 というのも、私は『まず楽器の調整が不完全では、機材の方で何をやっても〈コントラバスの音〉は出てこない(再生されない)。』と考えているからです。 例えばピックアップ マイクやプリアンプなどの機材の設定だけで(最良の)コントラバスの音が再現できるのかと問われれば、それは不可能だと思います。 それは、どんなに高性能な音響機器を使用しても同じことです。 なぜなら、そもそも『コントラバス自体が良く鳴らなければ、その音(特定の周波数であったり、音の響きであったり)は、実際に存在しない。』わけで、言ってしまえば『実際に出てもいない音を無理やり作る』という作業になるわけです。 当たり前ですが、(調整不十分の楽器は)そこに『自然な楽器の鳴り』は無いのですから、その音がスピーカーを通して出てくることは、ありえません。 結局、その楽器の音を電気系に依存するか・しないかに関わらず、楽器の調整は不可欠ということになります。 当店でも電気系の仕事を請け負うことは多いからこそ申し上げるわけですが、楽器の調整が一番最初で、その次に電気系に手を入れていくという段取りが、追い求める音への一番の最短距離だと思います。