写真・手前が・・・『天下一』だったかな?
写真・奥が、『鹿苑・ろくえん』という、今年初めて挑戦している品種です。
鹿苑の葉は、分類でいえば『キフセ』という『黄斑蝉葉』となるわけで、簡単にいうと、“黄緑色で斑入り(ふいり)で、セミのような形をした葉になりますよ。” という話なのですが、私の想像以上に色が薄く、見事な黄緑色の葉をつけているので驚きです。
もっとも、『緑が薄い=葉緑素が少ない=成長しにくい=弱い』ということですので、あまり蔓は伸ばさずに育てる方が良さそうです。
さて、その朝顔、しばらく前まで小学生の息子に世話をさせていました。
“学校でも育ててきたから、僕でもできる!”
と言うので、任せていたのですが・・・・・・“どうも、ここ最近は成長が鈍い・・・どころか、これ、枯れるんじゃね?” というところまで弱ってしまいました。
そこで息子に、彼の普段通りに朝顔の水やりをさせてみます。
・・・土の表面を湿らす程度で終了・・・・・・ダメです!
朝顔は、植木鉢の底から水が出てくるぐらい、たっぷりと水をやらないと成長しません。
“そりゃぁ、枯れそうになるわ。”
と、長男には朝顔の世話の方法を細かく指示しました。
この2週間ほどで、やっと持ち直してきて一安心ですが、さすがに肝を冷やしました。
本気で朝顔をやろうと思ったら、なかなか大変なのですよ。
一見すると、ちゃんと世話をしているように見えるが、よく見ると全く世話ができていないということに気がついた朝顔ですが、実は、コントラバスも同じように、一見すると、ちゃんと調整をされているようですが、よく見ると全く適切な調整がなされていない楽器というものを目にすることがあります。
技術者が未熟な場合もありますが、残念なことに、職人が手を抜いたような悪質なものも目にすることがあります。
楽器の『調整作業』とは不思議なもので、具体的に〈これ〉といった作業工程はありません。
結局のところ楽器の個体差と、現状の〈音〉の具合によって、様々な方法で、最適な状態を作り上げるのが『調整作業』となるわけで、全ての楽器に、その個体にあった、それぞれの調整方法があるわけです。
だから、楽器を調整作業に出したときに、作業をした職人から明確な説明がなかったり、作業工程の説明があったとしても、どう考えてみても理解できない、理論的な裏付けがないような場合には、“本当に適切な調整がなされたのかな?” と疑ってみることも大切です。
もっとも、そんな時代錯誤の悪徳業者のような弦楽器職人は少ないかと思いますが・・・。
調整作業というものは、なかなか専門職人以外の人が手を出せる領域ではなく、“それじゃぁ、自分でやってしまおう。” ということは難しいことだとも思います。
確かに、今の時代はインターネットなどで調整方法などの記事も幾つか見受けられますが、それらを読んでみると “それ・・・違う。” と思うことも多々あります。
私などは、あまり気にしない方なので、演奏者自身が “自分で調整してみたい!” ということに否定的ではありませんし、そうやって(失敗して)持ち込まれた楽器にしても、楽器の強度に問題がなければ、『80点!』と合格点を進呈(?)しています。
ただ、単純に『駒を立てました』『魂柱を立てました』だけでは、本来の『調整』ではないわけで、そこから『どのように音の輪郭を作り、どのように音の芯を作り、どのように音を響かせるのか?』という基本的なところから、その楽器の個体差と演奏者の癖などを見極めて、適切なところに落としていく作業ができないと、本当の意味で “調整をした!” とは言えないわけです。
そういう意味で、コントラバスという楽器の『調整』とは非常に(技術的に)難しく、理論的に難解なことも多いですが、楽器を調整に出す際、または楽器を受け取る際に、作業工程と理論的な裏付けを職人さんから説明を受けるようにすると、いつも調子の良い楽器を弾くことができるかと思います。
朝顔もコントラバスも、けっこう手の掛かるものなのです。