一度に数種類の弦を使用する場合

 過去に『カレーは二日目からが美味い』というような例えで書いたことがありますが、一度、駒を取り外してしまいますと一時的に音が鈍くなります。



 この写真の楽器は納期が2週間ほどあったので早い段階で駒を交換して弦を張り、数日おいてから調整をしました。

 写真でご覧の通り、この楽器は1弦・2弦と3弦・4弦では、弦の種類が違います。

 このような楽器は、一般的な段取りの調整方法では音のバランスを整えるのは、ちょっと難しそうです。

 楽器の調整は、単純に1弦であれば、1弦だけの音を作れば良いのではなく、残りの3本の弦の共振も聴きながら、音の響きを作っていきます。

 4本とも同じ種類の弦であれば、ある程度は全体の音の響きを読むことはできますが、違う種類の弦を混同させると楽器の響き方も(予想の範囲を超えて)変わってくるので、その響きは実際に鳴らしてみないと読みきれない部分も多く、通常の調整以上の時間がかかります。


 あえて違う種類の弦を張るということは、当然、そこに大きな意味を持たせているわけで、調整する際にも、その弦の音質の特徴などを考慮しつつも、楽器全体の響きが、低音から高音まで一体となるように気をつけなければ、その違う種類の弦を張ることによって得られる効果(メリット)は薄くなります。



 もし数種類の弦を一緒に張って使用するときには、よくよく、日頃から調整を依頼している弦楽器専門店と、その楽器の調整方法について相談をされた方が、最終的に音のバランスの良い楽器に仕上がるかと思います。