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アルミコーン

定休日の夜に、ふと思い立ち、改造。

 Roland CUBE-60 BASS に、HARTKE(ハートキー)のアルミコーン ユニットを搭載させてみる。

 当店ではお馴染みの『Roland CUBE-60 BASS』という1980年代のベースアンプ。  これまで何台もの CUBE-60 BASS をレストアしてきましたが、ここ最近は、あまり状態の良いものが手に入らないようです。



 こちらのアンプは、レストアする際に、劣化して交換が必要なコンデンサーをコントラバスと相性が良い Nichicon KA ではなく、東信工業の UTSJ を使用することで、エレキベースに最適な中音域に締りのある音に仕上げ、またバスレフポートも、オリジナルの状態では低音域の輪郭が弱いので、調整をして増幅する低音域の周波数帯を変更してあります。



 元々、このアンプは販売用というよりは『コントラバス用とエレキベス用の音色の違い』を体感していただくために用意したようなもので、あまり積極的に売りに出すようなことはしていませんでした。


 今回、久しぶりに試奏してみると、どうもスピーカーユニットの調子が悪く、妙なノイズも聞こえてくるので、思い切って、手元に置いてあったHARTKE(ハートキー)のアルミコーンを搭載してみました。

 10年ほどか、もっと昔か、それまでHARTKEはスピーカーユニットを単体で販売をしていましたが、どうも今では販売をしていないようで、このユニットは、ちょっと貴重品でもあります。



 Roland CUBE-60 BASS は、少し中高音域にカリッとした癖がある印象があるので、“アルミコーンを搭載したら、かなり硬いサウンドになるだろう。” と予測したものですが、意外や意外、わりと落ち着いた音色で驚きます。


 確かに、オーディオの世界でも思い起こしてみれば、1970年代の古いPHILIPS のスピーカーユニットなども、ペーパー コーンでありながら、非常に音の輪郭のハッキリとした、パリッとした音色のユニットもあったりもしたもので、そう考えれば年代的にも “現代の設計のアルミコーンよりも、古いペーパーコーンの方が中高音域の音が強い。” と言われても、納得はできますね。


 試奏をしながら “音の雰囲気も良いから、しばらくは、このままでおいておこう。” と思いましたので、ご来店の際には、話のネタとして遊んでみてください。


 設計が古いので、現代的な音ではありませんが、雰囲気の良い音は出ています。  この年代のアンプに求めるものは、高性能ではなく、今の時代に必要最低限の音質(&音色)を持たせつつも、やはり、その時代の柔らかな音の雰囲気が出せることですね。




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