top of page

検索


紙ヤスリから見る伝統の継承
“これが新品。そして、そちらが……” “ゴミ?” “いやいや、使い古されてゴミのように見えるけど、それはまだまだ使えるの” 私は親方から『コントラバスの作り方』は教わったことがありません。全て、見て真似て、失敗したら叱られる。それを繰り返して覚える。そのような教育方針でした...


再び Oriente HB-45を語ってみる
先日、高校時代の音楽仲間が遊びに来ていた時に、 “お前の性格だから〈販売〉が苦手なのはわかるが、取り扱っている商品は、しっかりと売れ” と言われてしまいました。 それは至極もっともな話であって…… というわけで、当店の取り扱い商品である Orienteのコントラバスを改めて...
雑感・コントラバス職人の役割
“その問題は演奏者側にあるのか、それとも楽器側にあるのか?” それを聴き分けるのも、職人の仕事。 お客様にお誘いいただいて、お客様の演奏会に行ったとき…それは仕事半分、遊び半分。 “いやいや、良い演奏会だった” と浸っている(ひたっている)だけではダメで、そのお客様の楽器を...
楽器の容積は測れるのか?
職人同士の会話は、時にとんでもない方向に飛躍をする。 Orienteの二代目と電話で話していて、要件が済んだ後には、いつも雑談となる。 雑談といっても、その内容は、ほとんどが技術論。 ふと『楽器内部の容積を、どうやったら測れるのか?』という話題になる。...
この仕事は、趣味ではないので…
先週、ちょいと無理をしすぎたせいで、左目を痛めてしまいまして。 だいぶ回復をしてきましたが、まだ目の奥の鈍痛が抜けないので休養をしている感じです。 以前にも幾度か紹介していますが、刃物を使う職人は右手に刃物を持つ場合、刃先を見るのは左目です。...


ちょっとした思い出話
ちょっとした思い出話だったり、そうでなかったり。 当店は管楽器専門店と手を組んで、埼玉県の中学校や高校の吹奏楽部のコントラバスの修理や調整を行っています。 昨日、管楽器屋さんから持ち込まれた依頼は、 “G線の弦高で6mmで、全体の弦高を整えてほしい。” というもの。...
一歩踏む出す勇気は欲しい
奇妙な話ですが、40代も半ばを越えてくると、どうも『学ぶ力』の衰えを感じます。 単純に〈学習能力〉が落ちるということとは、少し違う印象です。 たとえば、コントラバス(≒楽器)のことや、音楽のこと、電気系のことは、まだ学べば学ぶほど知識を深めることはできますが、これまで触れて...
停滞は文化の終焉の始まり
私が職人を始めて約30年になりますが、30年前と現在で、果たしてコントラバスの調整技術というものは、どれほど進化してきたのか? そう考えた時に“実は、大して進化してこなかった。”ということに気が付きます。 そう、実は大して進化していない。...


子供たちと向き合う姿勢
吹奏楽部でコントラバスを担当している娘の弓の毛を交換しました。 高価な楽器を使わせているわけではないし、高価な弓を使わせているわけでもない。 だから、せめて弓の毛ぐらいは少し贅沢をして、数ヶ月に一回の頻度で交換してあげます。...
これは終わりの始まりか?
卵が先か?鶏が先か? 物事の起源が曖昧な時に使われる言葉。 もう何ヶ月も前の話ですが、職人仲間と話をしていたときの話題。 とある弦楽器職人が言ったそうな。 “ウルフトーンは楽器が良く鳴っている証拠だから、無理に消さなくていいんだ。それは演奏家が演奏技術で対処すれば良い。”...
修行を始めて4年目の終わりの頃
修行時代の、おそらく一番苦しかった(辛かった)こと。 “修行時代には、何が一番苦しかった(辛かった)ですか?” という質問は、意外とよく受けるものです。 だいたい最初から最後まで均一に苦しかったものですが、最近、ふと『一番苦しかったこと(辛かったこと)』を思い出しました。...


珍しく仕事道具の話。
碓氷健吾 作 銘『魂(たましい)』 寸六の台鉋(だいがんな)です。 碓氷健吾氏は、当代随一と謳われた鉋鍛治(鉋を専門に作る鍛治)でした。 宮大工や、超一流の木工職人が愛用をするような鉋が、何故か私の手元にある…。 今回は、そんなお話...
bottom of page